ハカランダ材が美しいMartin D-45 Brazil ですが、ボディバインディングがあちこちはがれていて、おまけにアバロン・インレイが数ヶ所欠損しています。またボディ落下によるバックのはがれもありますので、この際、不具合箇所をすべて直します

サイド面のバインディングがかなり大きくはがれていて、アバロン・インレイが欠損しています

バック側にも欠損箇所があります

打痕箇所付近はバック＆サイドがはがれていて、またパーフリングも取れかけていて一部アバロン・インレイが欠損しています

バインディングとパーフリングがグスグスになっています

バインディングを接着する前に、欠損箇所にテフロンを仮埋めしてツラ出ししておきます

バック右側のバインディングはがれは範囲が広いため、ネックヒール部まではがしてストレスを解消してからタイトボンドで接着します

バインディングが完全に固着したらテフロン箇所を取り外します

溝に合わせてアバロンでピースを作り、タイトボンドを使って埋め込み接着します

バック側もサイド側もいい感じに埋め込み出来ました

ヒールキャップ付近のバインディングにすき間が出来ましたので、同じような素材でピースを作り埋め込みます

2ヶ所埋め込みました。固着したらノミやヤスリを使ってツラ出しします

周りの雰囲気に合わせて着色します

つぎにトップ右側のバインディングはがれを修理します。ウエスト部のはがれですが、シュリンク（縮み）がキツメなのでネックヒール部まではがして接着することにしました

ネックヒールまではがしてストレスを解消してからタイトボンドで接着します
。念のためウエスト部はハタガネ・クランプします

つぎに打痕付近の修理をします。アバロン・インレイが1個欠損していますが、その周りのバインディングとパーフリングもグスグスになっていて広範囲な接着し直しが必要です

グスグスになっているアバロン・インレイを一旦取り外してバインディングとパーフリングを接着します

アバロン･インレイが付いたままだとツラが凸凹のままになってしまうので、一旦はずして溝に合わせてテフロンを加工し仮埋めします

テフロンを仮埋めしたところ

テフロンを埋めた状態で打痕付近のはがれをタイトボンドで接着します

はがれ箇所の接着が完了したら、テフロンを取り去ってその溝に外してあったアバロン・インレイを埋め込んでいきます

アバロン･インレイのツラが揃うようにして埋め込み接着します

欠損箇所に合わせてアバロンを加工して埋め込みました。周囲のインレイもほぼツラが合いました

サンドペーパーで軽くツラ出し研磨してから、ラッカーでタッチアップします

タッチアップと研磨を数回繰り返してからハンドポリッシングで仕上げます

ハンドポリッシングして仕上げます

トップのはがれ箇所も上手く接着出来ました

バックのバインディングはがれと打痕箇所はがれの修理も無事終了しました。ハカランダのバック＆サイドが以前より美しく見えるのは気のせいでしょうか！？ （笑）

ボディバインディングはがれの修理が完了しました。その他ヘッドバインディングはがれ、バック・ブレーシングはがれ、フレット交換などの全体のオーバーホールにより再びいい状態に戻りました。
いい音してます！　もう落とさないようにして下さいね－！(笑）