Adamas Ⅱ/1681-5 のネックリセット&フレット交換
Adamas Ⅱ/ 1681-5 ですが、フレット減り、指板はがれ、トップとボウルのはがれ、プリアンプの不具合、ジャックガリなどの全項目の修理をすることになりました.。ここでは主にネックリセット、及びフレット交換修理をご紹介します
ネックは指板の接着剤がほとんど取れていましたので、ボルトをはずすと簡単にネックが取り外せました
固まった旧接着剤をホットエアガンで温めて取り去ります
指板裏面をクリーニングしたら、新たにシムを指板エンド付近に貼ります
ネックボルトを取り付けて弦を張り、指板の通しを確認します。つぎに指板とトップの間にマスキングシートを置き120番、又は220番でシムを軽く削って、指板エンドがなだらかに落ち込むように調整します
いい感じにシムの高さを調節しました
つぎにネックのセンター出しをします。ネックヒールに薄いシムを貼ってセンターを合わせていきます
センター合わせは1弦と6弦を張って左右の指板までの振り分けを揃えます
アラルダイト(エポキシ接着剤)に黒を混ぜて指板を接着します
ボウルに合わせた当て木を作り指板をクランプします。はみ出た接着剤はきれいに拭き取っておきます
2~3日経ったらクランプをはずし、フレットを抜きます。チップが欠けないようにハンダゴテとチップストッパーを使って慎重に抜いていきます
つぎに指板削り台にセットして指板を最小限削ってゆがみを修正します
最少の削りで済むポジションを見極めロッドを調節します。それからスリ台を使って慎重にレベル出しします
オベーションやアダマスはフレット溝に接着剤が噛んでいるためノコやドレメルなどで取り除かなくてはなりません。このアダマスⅡのようにバインディングがない場合はノコで掻き取ります
フレット溝ゲージを当てて溝の深さを測り、均一になるように微調整します
14Fまでフレットを打ったら一度弦を張り、ネックリリーフをチェックします
指板エンド付近のフレットエッジは加工が難しいのですが、ドレメルにビットを付けて削ります。慣れないと手元が持って行かれるので、両手でしっかりドレメルをホールドしながら特に慎重に行なわなければなりません!
ドレメルで大まかに削ったら曲がりヤスリを使ってエッジを整形します。このあとフレット上面のレベル出しをしてから、面取りドレッシング、エッジファイリングをして仕上げます
シムを2枚入れてちょうどいい弦高になりました。1弦-1.4mm、6弦-2.0mmです
ネックリセット&フレット交換が完了しました。そのほかトップ&ボウルのはがれ、プリアンプのオーバーホール、ジャックのハンダ付け直しなどの修理も行い、ライブでもそのまま使える健康体になりました!