1957年製のGibson J-45 ですがアクシデントがあって裏板に大きな穴が開いてしまいました。オーナー様はさぞかしショックだったと心中お察しいたします

ただし、幸いにも粉砕破損した破片がほとんど残っていましたので、それらを組み合わせていけば何とかなるかもしれません

ただ複雑に割れていますので、そのままはめ込んで収まる感じではないのでかなりの根気と集中が必要だと思われます

粉砕パーツを組み合わせる前に裏側に補強を兼ねたマホガニーの平板を貼ります

ブレーシングの間隔と穴の大きさから寸法を割り出しマホガニー補強板を製作し、タイトボンドでジャッキアップ接着します

こんな感じで補強板が接着されました

ここからが本題です。まず一番大きな破損パーツを接着します。ケバや引っ掛かり部分を削りながら塗膜を合わせるようにします

こんな感じに収まりそうです

ピースを接着する際、ツラが揃っているかゲージでチェックしながら微調整していきます

接着の際はホールド台を利用します。ギターをセットして破損ピースを接着の時に上から押さえられるようにします

接着ピースにボンドを付け予定の位置にはめ込んだら、その上にワックスペーパーを載せアクリル板で押さえ付けるようにボルトクランプします

上記作業の通り、破損ピースを1個づつクランプで押えながら接着していきます。だいぶピースが合ってきました

破損ピースの接着に合わせてボルトの位置をアレンジしてクランプします

この作業はボルトクランプが大活躍です！　この一手間のおかげでピース合わせ後のツラ出し作業が楽になり、また仕上がりも自然な感じになります」

ということで塗装が残っているピースは全て収まりました。あとは塗装のない箇所に余っているピースを整形して埋め込みます

全部で12個の破損ピースを接着しました

割れ目箇所にマホガニーパテを充填してツラに近づけます

サンディングシーラーで割れ跡をツラ出しします

ある程度溝が埋まったら軽くツラ出し研磨してさらにタッチアップします

凹み箇所をさらにタッチアップします

箇所周辺をオーバー塗装するためにボディのマスキングをします

箇所を数回オーバーラッカー塗装したらよく乾燥させます。それからハンドポリッシングで周りの塗装と馴染ませます

仕上がりはこんな感じです。割れ部はそれほど目立たなくなりました

晴れて元のいい状態に戻りました。「やっぱ音がいいやー！」と喜ぶオーナー様の
お顔が浮かびます。めでたしめでたし！！