Ovation 6778LX-1 の指板エンドのハネ修正

ID2322-4.JPGOvation 6778LX はアドバンスド・ネック・システム(ANS)を採用しており、それまでのカマンバー(Kaman-Bar)とは違って指板エンドは接着せず、ネックヒール側の2本、指板側の1本の合計3本のボルトで取り付けるシステムです。ただそれでも中には指板エンドが若干ハネ上がって見えるものがあり、このギターも同様の症状の為、指板ハネ修正を行ないます

ID2322-56.JPGネックヒール側に2本、指板側に1本の合計3本のボルトで取り付けてあります





ID2322-52.JPGボルトは3/16"(4.76mm)の六角レンチを使用します

ID2322-88.JPGただし上記のような普通の六角レンチでは使いづらく、らちが明かないので、実際はこのような工具を使用して作業します



ID2322-39.JPGまずラチェットレンチを使用して指板側のボルトを外します




ID2322-42.JPG指板側のボルトを外すとネックヒール側の2本のボルトを外せます。Ovation 製のロングレンチと、同じものを加工して握り取っ手を付けたものと2種類使って外します

ID2322-45.JPGネックをはずしたところ。接着剤は使っていません

ID2322-48.JPGネックヒールの状態です。指板側に付いたブロックにナットがあり、ボルトを締め付けて固定する方法になっています

ID2322-49.JPG指板のブロックは2本のカーボン・スタビライザーが埋め込まれていますが、それでも若干エンドがハネ上がる場合があります

ID2322-31.JPG少しぐらいの修正であれば、ネックヒールの上部に適度なシムを貼ってアングルを少し変え修正します

ID2322-30.JPGなるべく同じ厚さのシムを作り反対側にも貼ります

ID2322-66.JPGシムを貼ったらボルト3本をしっかり締めてネックを取り付けます。それから指板の通しを確認します。ジョイント部は多少のすき間が開く場合がありますが特に問題はありません。ただし気になるようでしたらウッドパテ、又はシリコーンパテなどをすき間に充填しておきます

ID2322-83.JPG指板エンドのハネ上りは改善されました

ID2322-96.JPG最後にネック・リリーフ調整、ナット調整をしてから、PUシムで弦高を調整して完了です。指板エンドのハネ上りも改善されて気持ちよく弾けるようになりました!